甲○号証

                
                

陳  述  書

                                                                                   
                     

平成○年1月20日

                  

住所  東京都〇〇区~~ 

                

 氏名  山田太郎 印

1 私の経歴
私は、現在57歳ですが、22歳で大学を卒業後、○○不動産㈱に就職しました。依頼、8年間営業を担当しておりましたが、売り上げは常に店舗で1,2位でした。30歳で店長に昇格し、その後、35歳で独立して不動産会社を経営するようになりました。

2 私の経営する不動産会社について
35歳で独立した当初は私一人で会社を運営していました。しかし、徐々に売り上げが上がっていくようになると、私一人だけでは事務処理が追いつかなくなり、独立して3年後くらいから徐々に従業員を採用するようになりました。被告○○さんと出会った平成○年ごろには、従業員13名、年商は8億円、経常利益5000万円にまで成長し、経営も順調でした(甲5号証)。

3 被告○○さんとの出会い
平成○年○月頃、私の会社では建売住宅の分譲を行っていたのですが、そのときに家の建築を発注した建築会社の経営者が被告○○さんでした。当初は仕事上の付き合いのみでしたが、お互いに気があったため、しばらくしてからは仕事以外にも一緒に行動をともにするようになりました。当時は、お互いの会社の経営状態もよく、頻繁に飲み歩いておりました。

4 リーマンショックによる建設業界の不況
ところが、平成20年頃に発生したリーマンショックにより、建設業界は不景気となり、被告○○さんの経営する建築会社も大打撃を受け、受注が激減しました。従業員を削減するなどの対処をしたのですが、それでも残った従業員の給料を出すのが精一杯で、自分の給料がでないと言っていました。当初は貯金を崩して生活していたようですが、1年後には底をついてしまったとのことです。

5 平成22年9月にお金を貸してほしいと言われ、500万円を貸したこと
平成22年の9月上旬頃、被告○○さんは私の経営する会社を訪れ、「経営が苦しいので、運転資金として500万円貸してくれないか。そのうち景気が上向いたら必ず返すから」と言って、500万円を貸すよう要求してきました。幸い、私の会社は何とか持ちこたえていて利益はでていましたし(甲6号証)、彼は決して浪費家ではなく、真面目に仕事をする姿を見てきましたので、具体的な返済の取り決めもせず、彼を信用してその当日に銀行から500万円をおろして(甲7号証)、借用書なしで貸しました。翌日、彼から「昨日はありがとう。これで何とか従業員の給料も払えそうだよ」とのメールが届きました(甲8号証)

6 2年たっても返済をしない被告
○○さんリーマンショックも収束し、被告○○さんの会社の景気も上向いてきました。その証拠に、彼は平成23年に車を高級外車に買い換えているのです。私は平成24年2月頃、彼の会社を訪問し、「お金があるのなら、500万円を返してくれないか」と催促したのですが、彼の反応は芳しくありませんでした。

7 平成24年年3月の時点で、被告○○さんは500万円を借りていた認識があったこと
私は、このままではお金を返してもらえなくなると思い、平成24年3月、再び被告○○さんの会社を訪問しました。このときの会話を録音したものが甲9号証です。この時の会話の5分30秒のところで、私が「平成22年9月に貸した500万円は、いつ返してくれるんだ」と尋ねたところ、被告○○さんは「その500万円はもう少し待ってくれ。もうしばらくしたら必ず返す」と述べています。これは、平成22年9月に、私が○○さんに500万円を貸したという確固たる証拠です。

8 再び催促すると、金を借りていないと返答するようになったこと
平成24年4月に再度○○さんのところに催促に行きました。すると、彼は前回とは豹変し、「そんな金を借りた覚えはない」と発言するようになっていました(甲10号証)。 このような事情により、やむなく今回の提訴に至りました。 
                                    以上